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Peanuts Blog[かぎや盛岡べん別館]

コロナ禍は厳しい…その時々の気づきを書き綴ります。55歳過ぎての、定年前のシルバー起業。 このままでは楽しくないと… 横浜市の支援と信用保証、銀行融資を活用して、必要な国家資格などを取得。生業としてこれからの働き方改革を自分自身に適用しました。

保険の営業トークに負けない切り返し術 保険コンサルタント

日経の記事をクリップした。
保存版ですね。^_^

保険の営業トークに負けない切り返し術
保険コンサルタント 後田亨
2015/6/29 6:33
保険会社が言わないホントの保険の話
 ある媒体で「長く続けるほどお得に増える!」と紹介されている「終身保険」があります。30歳女性が1000万円の保障があるプランに加入するとした場合、30年間で611万円強の保険料を払い終わった後に解約するなら約711万円の払戻金があるので、「約100万円プラスになる」というわけです。


「長く続けるほどお得」な保険は実際にお得なのだろうか
 結論からいうと乗らないほうがいいと思います(正直、推奨するファイナンシャルプランナーがいる事実が信じられません)。しかし、営業現場でも保険料総額と払戻金額を比較したセールストークは常用されています。そこで、今回、消費者側の視点で考えた「ああ言われたらこう言う」切り返し法をいくつか挙げてみたいと思います。
 素朴な疑問を大切にするのがポイントです。以下、(セ)はセールストークです。

(セ):「一生涯の死亡保障がある終身保険です。将来の資産作りとしても活用できます」
(客):「死亡保障がある分、資産作りに回るお金が少なくなるのではないですか? 死んだ時の保険金は要らない人に勧める理由はなんですか?」

 実際、資産形成のために積み立てられるお金は「保険料−保障にかかる費用−手数料等のその他の費用」なので、死亡保障が不要な人が、この保険で資産作りする意味はないはずです。

(セ):「死亡保障はともかくとしても、60歳時の返戻率(解約時の払戻額÷保険料総額)は116%超、63歳では120%です。預金ではこんなに増えません」
(客):「でも、30年以上先の話ですよ。1年後の返戻率はゼロ、5年で解約しても53%。金融機関に『30年間好きに運用してください』とお金を貸しているようなものなのに、中途解約すると多額のペナルティーが発生するのは理不尽な話ではないですか?」

 金融機関にお金を貸しているのだという見方は、私のところに保険相談にきた金融機関勤務のお客様から教えていただいたことです。とても重要だと思います。解約時の払戻率の評価も変わるはずです。

 そもそも、1年後の返戻率がゼロなのは、契約初期にまとまった額の代理店手数料が発生することなどが影響しています。言うまでもありませんが、代理店などの口座に振り込まれた加入者のお金は、その瞬間から加入者のお金ではなくなり、手元には戻りません。

 自分の将来のためにお金を積み立てるつもりなら、保険会社や代理店のために使われるお金が少なければ少ないほど、良い商品に決まっているのです。

(セ):「多くのお客様に、長く続けていただくことでメリットがあるということを評価していただいています。保険の場合、老後に受け取るお金が確定している安心感が大きいともよく言われます」
(客):「確定しているといっても30年後の話ですよね。そもそも30年間、契約が続く可能性はどれくらいあるのですか? 30年後の貨幣価値は今と同じでしょうか? 保険会社の経営がどうなっているかもわからないでしょう」

 30年後のことは極めて不透明です。「発想を転換 保険の更新、実は怖くない(6月15日付)」にも書いたとおり、10年以上続く契約は半数程度だと思われます。

 30年後に711万円受け取れる可能性は確実なものではなく、さらに、その時のお金の価値も不透明であるのに対し、30年以内に中途解約したら、常に払込保険料を下回る払戻金しかないことは確実な既定事項です。

 この商品の評価をしながらあらためて感じたのは、「確実なこと」と「不確実なこと」を分けて考えてみることの大切さです。その商品の「メリット」として語られていることよりも、「デメリット」のほうが、はるかに確実性が高いからです。

 視点を販売側に移すと、契約初期に見込める手数料収入は彼らにとっては確実性が高く、魅力的です。「長く続けるほどお得」とは、実に「物は言いよう」だなと感じた次第です。