Chinese (Simplified)Chinese (Traditional)EnglishJapaneseKorean

Peanuts Blog[かぎや盛岡べん別館]

コロナ禍は厳しい…その時々の気づきを書き綴ります。55歳過ぎての、定年前のシルバー起業。 このままでは楽しくないと… 横浜市の支援と信用保証、銀行融資を活用して、必要な国家資格などを取得。生業としてこれからの働き方改革を自分自身に適用しました。

肝心なのはきみだよ

松下幸之助の見方考え方完全保存版には素晴らしいストーリーや語録が並んでいる。
大変分かり易く、読みやすい。
その中で、『心意気』の章でこう書いてあった。

あるとき、あまり仕事のうまくいっていかなかった幹部が、「もう少し優秀な部下がいたらと思います」と愚痴をもらした。それを耳にした幸之助は、とたんに姿勢を正して、「きみ、その考え方は間違っている」と言った。
「きみは大学も出てしっかりした男や。仕事も熱心やってくれるし、一つ言えば十も悟る。非常に私はあてにしている。しかし、きみみたいな人間ばかりやったら、私はゆっくりと寝れんわ」
どういう事かといぶかる幹部に、幸之助は経営の心がけを説き聞かせた。
「きみは優秀だよ。優秀やから、私が寝ている間にきみは勝手に会社を違うところに持ってゆくかも知れん。目を覚まして会社がどこか違うところへ行っていたら大変やないか。そう考えたら夜も心配で眠られへんで。きみはいま、優秀な人間が居たらと言ったけども、事業は優秀な人間ばかりでできるものやないんや。優秀な人間を集めたからと言って、優秀な会社になるは限らん。誰しもが少しでもいい仕事をして、会社に喜んでもらい、自分も喜びたい、世間の役にも立ちたいと思って会社に来ているはずや。大事なのは、その人達が示される方針をきちんと守ってやってくれるかどうかであって、優秀かどうかではない。肝心なのは、その人達に対して、はっきりと方針と会社の目標を示して、やり方を明示することなんや。肝心なのはきみだよ」

数ある内容の中で、ガツンと来た言葉だ。以前聞いたことがある。小泉首相のようにA型の午年はどんどんと先に行く。人ができない、任せられないことは自分でやってしまう。優秀でないできない人には、いいからと言って切ってしまう。結局自分が背負う形になってしわ寄せが自分に来てしまう。人を使うことは不器用で、会社の組織のリーダーとはなれない。小泉首相が失敗したのではないが、その気質はわかる気がしていた。しかし、この言葉であらためて組織の重要さは、人間ではあるけれど「肝心なのは自分だ」。
しかし、幸之助の説き伏せ方は、素晴らしい。最初に相手の気質を持ち上げる。否定しない。