2010年下期から2年間−リチウム電池技術活用>>
NECは29日、米電力中央研究所(EPRI)とリチウムイオン電池技術を用いた蓄電システムの共同実証実験を、2010年下期から2年間行うことに合意したと発表した。NECが自社のリチウムイオン二次電池技術を応用した出力25キロワットの系統用蓄電システムを開発し、EPRIが同システムの評価・検証をノックスビル試験場(テネシー州)で行う。NECは、EPRIと米国の電力会社の共同研究用として、出力1メガワット以上の蓄電システムも開発する。
米国では蓄電システムをスマートグリッド(次世代電力網)に必要な風力・太陽光発電の安定出力や、配電系の電力変動調整などに応用するニーズが高まっている。このためNECは「現地の蓄電システム市場への参入に向けた実証実験」(國尾武光取締役執行役員常務)と位置づけ、大容量の系統用リチウムイオン電池技術の確立を狙う。
NECではリチウムイオン電池を中核に環境・エネルギー事業を強化し、12年度に同事業の売上高1000億円を目指す。
【2010年9月30日付9面】